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東芝の決算発表がまたまた延期だ。

2017/2/14
↓延期
2017/3/14
↓延期
2017/4/11

理由:監査法人の承認が得られなかったため

これを受けて、東証は2017/3/15付、東芝株を上場廃止の恐れがある「監理銘柄(審査中)」に指定。2015年に発覚した過去の不正会計に伴い、内部管理体制に問題がある「特設注意市場銘柄(特注銘柄)」に指定後、1年半が経過したため。


〇主力取引銀行
 三井住友銀行
 みずほ銀行
 三井住友信託銀行

上記主力銀行は「最先端の技術を有する重要な企業」(首脳)と東芝を支え続ける考え。3月末に返済期限を迎える約2800億円の協調融資の行方。
 
東芝は金融機関の融資の前提となる「財務制限条項」に抵触した状態が継続。協調融資に参加している地銀の中では「株主に説明がつかない」(関係者)と融資継続への慎重姿勢が強まっている。

米原発子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)への連邦破産法11条の適用も焦点。 

確定できていない第三四半期決算は、米国の原子力子会社ウェスチング・ハウス(WH)の巨額損失の計上が焦点。

2月14日に公表したWHがらみの減損7125億円→見込みを変更しない

〇2017年3月期の自社の見通し
 営業損益で4100億円の赤字
 最終損益は3900億円の損失
 株主資本は1500億円のマイナス
 
〇「今後の東芝の姿について」
 
「海外原子力事業のリスク遮断 マジョリティ売却等による非連結化を含め再編検討を加速」

WHを「非連結化」~WHは受注している米国内の原子力発電所4基が完成しないうえ、工事費が大幅に膨らんでいる。

これは福島原発事故の影響で米国原子力規制委員会の規制が強まったことと、日本と商習慣が異なる米国では発電コストを電力会社がかぶるのではなく、ベンダーが負担するという商習慣の違いを東芝が認識していなかった可能性が指摘されている。

コスト負担を巡って係争相手だったS&Wを2015年末に買収した結果、WHが工事についてのコスト増分を丸抱えすることになった。WHの損失は東芝が親会社として保証している。4基の原発が完成しなかった場合の損害賠償責任も東芝が負っている。そんな泥沼に東芝をはめたWHのリスクを非連結化によって防ぐらしい。


かつて日本の連結決算は株式保有を50%未満にすれば、自動的に連結決算から外すことができた(外形基準)。しかし、今は外形基準だけで「非連結化」はできない。傘下の会社が破たんした場合、親会社がその損失を被るような契約になっていれば、実施的に子会社とみなされ、連結決算の対象になる。

WHが今後被る可能性のある損失(天井知らず?)を丸ごと引き受けてくれる奇特な会社が現れることを期待しよう。
 

〇新生東芝のビジョン
「海外原子力事業のリスク遮断」
「半導体事業や保有資産の売却による債務超過の解消」
「社会インフラ」「エネルギー」「電子デバイス」「ICTソリューション」「その他」の事業に再編。
「2019年度に売上4兆2000億円、営業利益2100億円」