現在ニューヨークで国連総会が開かれている。ロシアのプーチンはその席で「シリアの対イスラム国の国連軍」を提案したが、米国のオバマはそれを拒否した。それも当然である。アメリカはイスラム国よりも、シリアのアサド政権に対して不満を持っている。ウワサされている、イスラム国を裏から支援しているのは実はアメリカ、と言うのも信憑性を帯びてくる。

利害が絡まっていて「敵の敵は味方」と言う構図で、ややこしい対立関係となっている。

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シリア情勢

イスラム教徒の種類

スンニ派
⇒反体制の宗派
(7世紀にイスラム教を始めたムハンマドの死後、後継者の選出を巡って、ムハンマドが打ち立てた「慣行(スンナ)」や教えを受け継ぐことを重視したスンニ派と、ムハンマドの血統を受け継ぐことを重視したシーア派に分かれた。 世界のイスラム教徒人口は約16億人。 うち9割がスンニ派だが、イラクは国民の6割をシーア派が占める。)

シーア派
(スンニ派に次ぐイスラム教の宗派。 ムスリム全体の約15%。国民の9割以上がシーア派であるイランのように、シーア派が多数を占める国もある。 )
 
アラウィー派⇒アサド政権の宗派
(シーア派に起源を持つ。秘伝の教義はシリアの諸宗教の混交といわれる。 シリアでは人口の1割を占める少数派である。)

ワッハーブ派
(
18世紀にアラビア半島内陸のナジュドに起こったイスラム教の改革運動である。 宗派としてはスンナ派に属するが、その下位宗派に数えられる場合もある。

※上記のように様々な派に分かれている。それぞれ仲が悪い。
アサド政権は少数派(国民の2割)のアラウィ派。特権側(アサド政権・アラウィー派)と抑圧された市民の対立である。

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ISISは昨夏、イラク第2の都市モスルを掌握。
拠点はシリア東部ラッカ。
ISISはイラク国内の多数の油田に加え、シリア東部で同国の石油資産の半分以上を支配。それらの石油は闇市場に流れ、ISISに1日最大300万ドルの利益をもたらしている可能性がある。

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シリア政権支援派と反体制派


①アサド政権支援派-資源価格は高いほうが良い(特にロシア)
アラウィ派(現政権の宗派・シーア派に近い)
シーア派
ロシア(冷戦時代から)
イラン(シーア派)
イラク(シーア派)

②反体制派-原油価格を市場化したい。民主化したい。
スンニ派(シリア国民の80%)
サウジアラビア(イランの対立国)
カタール(スンニ派)
アルカイダ(シリア政権と仲が悪い)
トルコ(アサド政権と対立関係)
アメリカ(中東を民主化したい)⇒アルカイダが反政府側を支援しているので表立った支援できない
ブッシュ政権のころに力を持っていた共和党のネオコンのグループ
英国
ドイツ
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プーチン「国連軍作って、イスラム国を殲滅しようぜ!!」

オバマ「イヤ!!アサド政権嫌いだもん!!」 


引用ここから↓
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 プーチン氏が対イスラム国「新戦略」発表へ 拒否権盾に米の譲歩狙う 有志連合は「非合法かつ非効率」
【モスクワ=遠藤良介】ロシアのプーチン大統領は28日、ニューヨークで開かれている国連総会で演説し、シリアでのイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」との戦闘に関する「新戦略」を訴える。米国主導の有志連合による対イスラム国空爆が成果を挙げていないと批判し、「対テロ」を旗印とした広範な勢力の結集を呼びかけるとみられる。ロシアは、シリア・アサド政権の温存と自国の中東での影響力拡大を狙っており、米国との対決姿勢を強めてオバマ米政権の譲歩を引き出す思惑だ。

国連総会に先立つ米メディアのインタビューで、プーチン氏は米主導の対イスラム国空爆を「非合法かつ非効率的だ」と評した。国連安全保障理事会で拒否権を持つロシアが容認し、安保理決議を得られる軍事行動の枠組みを作るべきだとする主張が根底にある。

ロシアはこれまで、米主導の有志連合に、アサド政権やイラク、イランなどを加えた対イスラム国「大連合」の結成を訴えてきた。プーチン氏は、国連総会での演説やオバマ米大統領との会談で、具体的な提案を打ち出す見通しだ。

 ロシアは、新鋭の戦車や戦闘機、高射ミサイル砲複合体などをシリアに送り込んだとされ、同国での空軍拠点整備も進める。弱体化したアサド政権にテコ入れし、有志連合の支援するシリア反体制派との衝突が激化しかねない状況を作り出してきた形だ。

こうした強硬姿勢を受け、米国はロシアとの対話路線に転じている。ただ、ロシアが「シリア唯一の合法権力」であるアサド政権を守り抜く方針なのに対し、米国や有志連合は同政権こそがシリア内戦の原因だとみている。アサド政権の処遇でどこまで折り合えるかが、対イスラム国の協調をめぐる焦点となる。

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引用終わり↑