学校法人「森友学園」の前理事長、籠池泰典容疑者(64)と妻の諄子容疑者(60)が国の補助金5600万円余りをだまし取っていたとして詐欺の疑いで大阪地検特捜部に逮捕された。籠池前理事長らは小学校の建設工事で金額が異なる契約書を提出し、国の補助金5600万円余りをだまし取っていたとして詐欺の疑い。

籠池前理事長「反省すべき点はあるが故意ではない」

経緯
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2017/2
学園を巡っては、小学校用地として国有地を鑑定評価より8億円以上安い1億3400万円で購入していたことが2月に発覚。安倍晋三首相の妻昭恵氏が一時、名誉校長に就任していたこともあり、国会で問題になった。

2017/3
建設工事を巡っては、学園が「約23億円」「約15億円」「約7億円」という3種類の契約書を作成し、国や府などに提出していたことが発覚。高松市の男性が今年3月、籠池容疑者を補助金適正化法違反の疑いで告発。学園は契約書の問題が明るみに出た後、国の命令を受け、3月末に全額を返還している。

2017/6
特捜部は設計業者や建設業者らを任意で聴取し、6月19日には学園本部がある塚本幼稚園(大阪市淀川区)などを捜索。7月27日には両容疑者から任意で聴取したが、2人はほぼ黙秘していた。31日夜に行われた豊中市の自宅の家宅捜索は1日午前1時過ぎに終了し、段ボール5箱分の資料が押収された。

2017/31
特捜部はこのうち国の補助金をだまし取っていたとして詐欺の疑いで籠池前理事長と諄子前副園長を逮捕。特捜部は2人が容疑を認めているかどうか明らかにしていない。また、31日夜8時半ごろには特捜部の係官およそ10人が大阪・豊中市の籠池前理事長の自宅の捜索。



各党の反応

自民党の小野寺政務調査会長代理
「さまざまな疑惑があり、捜査当局もさまざまな証拠を集めて、ここまできたと思うので、今後、公正中立な司法の立場で、この問題を明らかにしてもらいたい。国会の場で明らかにならなかった部分が、司法の場で明らかになればいい」

自民党の西田参議院国会対策委員長代理
「もともとの容疑は、国の補助金の詐取だが、なぜ財政基盤がないのに、小学校の設置認可を与えてしまったのかも含めて、捜査してもらわなければならない。結局、この問題は、政府や、安倍総理大臣夫妻がかんだ話ではなく、籠池氏が勝手な思い込みでやっていたのが真実だと、はっきりわかると思うので、検察はしっかり全容を調べてほしい」

公明党の山口代表
「捜査が核心の段階に移っていくことになるので、引き続き、見守っていきたい。司直の手に委ねられており、その使命を全うしてもらいたい」

民進党の玉木幹事長代理
「捜査中の案件でコメントは差し控えたいが、なぜ、このタイミングなのか、逃亡のおそれもない中での逮捕の理由など少し疑問はある。ただ、国民が関心があるのは、国有地売却でなぜ8億円も値引きされたのかだ。厳正な捜査の中で値引きの件の真実も明らかになることを期待したい」

共産党の小池書記局長
「捜査当局の問題で、コメントすることではない。ただ、事実関係を解明するのであれば、国有地払い下げにおける全体像を解明していくことが、司法・捜査当局に対しても求められる」

日本維新の会の松井代表
「逮捕によって、不適正な補助金受給などの真相の解明が一層進むことを期待している」