直流と交流の違い
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直流電源
交流電源
発電所
↓交流で送電
家庭
↓直流に変換
家電製品
直流電源
- 乾電池やACアダプターから得られる電源。
- 常に一定の電圧を維持している電源。
- 乾電池や蓄電池は使用するほど消耗し電圧が低下していく。
- プラス方向の電圧であることは変化しない。
- 国内の直流送電方式で特に有名なものには、電気鉄道の電源。
- 直流電源はモーター類の動作が良好で、低速・高速時の反応が良い。
- 電動機の運転がほとんどを占める電気鉄道には最適。
- 直流で送電する場合、+と-の2本の電線で足りる。電線コスト削減が可能。
- 電圧と電流に位相差がないため、進みや遅れが発生しない。
- よって、無効電力を0として送配電機器を設計できる。
- 欠点は常にプラス方向に電圧が印加されているため、ゼロの瞬間がない。
- よって、電流が大きく流れている中で強制的に遮断しなければならず、遮断失敗のリスクが大きい。
- 直流電源は常にプラス方向とマイナス方向が一定。
- よって、マイナス方向側の電路に接続された金属体は電食作用にさらされる。
- 電気鉄道などで、枕木程度では大地とレールが完全に絶縁できない。
- よって、付近に迷走電流を流出させ、並走して埋設している金属製の水道管や電配管を腐食させてしまうという問題が発生する。
交流電源
- 壁のコンセントから取れる100Vの電源。
- 50Hzまたは60Hz。
- 一定の周期で電圧のプラスとマイナスが変化する電源。
- 家電は交流のままで使用できない場合が多い。
- 通常、交流を直流に変換して電源供給する(ロスが生じる)。
- 小型の電気機器に100Vは電圧過大であることも多い(5~24V程度の小さな電圧に変換)。
- 交流送電の利点は、変圧が可能であること。
- 発電所から送電電圧は数十万ボルトという高電圧。都心部に近づくにつれて降圧させることが可能。
- 発電所から変電所では数十万ボルト、変電所から住宅の付近までは6,600V、住宅の付近の柱上変圧器で200Vに降圧する。
- 必要な場所ごとに電圧を調整する方法が採用できる。送配電の設備コストを最小限に留めることが可能。
- 業務施設や住宅などに供給する電力としては、電力の汎用性が重視され、交流送電が主流。
- 交流電源の欠点は白熱電球や電熱機器に電圧を印加したとき、交流電源は常にプラスとマイナスの変化を繰り返しているため、電圧と電流が0になっている瞬間には発熱できない。所定の熱量を得たい場合には、より大きな電圧が必要。
- 直流機器よりも交流機器の方が、より高い電圧に耐えられる絶縁性能が必要。
- よって、絶縁性能の強化により電気機器が大きくなったり、製造コストが高くなる。
- 交流電源はコイル・コンデンサの影響を受けるという特性がある。フェランチ効果と呼ばれる。
発電所
↓交流で送電
家庭
↓直流に変換
家電製品
発電所から家庭まで直流で送電する方式は普及していない
⇒電力の送電と、保護の容易さが関係